
企業を取り巻く規制環境は、「事前規制社会」から「事後規制社会」へと大きく変化しています。
事前規制社会では、官庁が企業の適格性を判断し、市場参入を制限していた一方で、参入企業に対しては、逸脱した行為が無いよう、監督官庁がさまざまなルールを示し、指導を行ってきました。
言い換えれば、ルールに従っていれば監督官庁の庇護のもとで経済活動を行うことができたわけです。
これに対して、事後規制社会では、自己責任のもとでの自由競争が全面に打ち出される一方で、公正なルールを逸脱したものに対しては、より厳格な制裁が下されることとなりました。
行政だけでなく、ルール違反に対する消費者やマスコミの見方も非常に厳しくなっています。
今や、多少のルール違反をしても、行政指導程度で済むだろうという考え方は通用しなくなっているのです。
企業の不祥事の話題が毎日のように報道されています。
消費者の健康を害する商品、生活者の安全を脅かす製品を製造・販売した企業は、長年積み上げてきた信用を即座に失い、名の通った企業でさえも経営的な危機に陥り、中小企業であれば倒産・解散という末路をたどります。
経営であれ一般社員の行う業務であれ、すべては人間の為すことですから、問題行為というものはどんな企業にも起こり得ます。
また、特に歴史のある企業においては、昔から企業内部で当たり前のように行われてきた行為が、今日の社会常識では問題行為とみなされるようなこともあるでしょう。
不祥事に「当社だけは大丈夫」という例外はないのです。
経営者が社内の問題行為に目を向けない企業では、内部の人間が問題をトップに知らせることを躊躇してしまうために、どうしても問題行為への対処が遅れがちです。後戻りのできまい状態のまま、問題行為を隠蔽しつづけるということになります。
しかし、インターネットにより誰でも容易に情報を発信できる今日、組織が抱える問題行為を隠し通すことは、まず不可能と考えたほうが賢明です。
内部通報者保護制度の整備により、今後一層、企業の問題行為の内部告発が増加することも予想されています。
日常のどんな企業でも 相次ぐ企業の不祥事を受けて、コンプライアンスへの取り組みが進んでいますが、多くの企業でその取り組みは表面的なものにとどまっています。
原因の一つには、経営陣の意識にあります。
コンプライアンス専門部署や統括責任者を設置したとしても、経営陣がコンプライアンスに本気で取り組もうという意識が薄ければ、間違いなくコンプライアンスへの取り組みは形骸化します。
形骸化したコンプライアンス体制・意識では、問題行為や従業員のモラールの低下をキャッチすることは難しくなります。結局、不祥事の防止にも適切な事後対応にも結びつかず、活動は単なるコストの無駄遣いに終わってしまうでしょう。
コンプライアンスもリスクマネジメントも、決して難しい概念ではありません。
コンプライアンス意識の高い経営者が小さい組織をマネジメントしているのであれば、まさに日常のマネジメントそのものがコンプライアンス活動といえます。
しかし、組織が大きくなると、物事はそう単純ではなくなります。
システムとしてのコンプライアンス体制、リスク管理体制が、意識できる形で示される必要が出てきます。
そのための手段がコンプライアンス規程であり、リスク管理規程です。
まず規程ありきでは、取り組みはうまくいきません。
経営陣が先頭に立ち、コンプライアンス、リスクマネジメントに本気で取り組む姿勢を示し続けた上での規程です。
また、規程を生きたものにするためには、経営が本気で取り組んでいる証が規定の中に盛り込まれていなければなりません。
もし、一方で市場ルールを逸脱した販売方法を暗黙に推進し、人事・給与制度も手法を問わない売り上げ優先の制度を継続させておきながら、他方で規程に適正な販売を謳っていたとしたらどうでしょうか。その規程は守られるでしょうか。
もちろん、コンプライアンスはボランティア活動ではありません。
企業として必要な事業活動と、法規制、マーケット・消費者の意識の両面を十分に検討したうえで、規程を整備しなければ、企業活動の活力が失われ、本末転倒の事態となりかねません。
貴社の事業活動と、法規制、貴社の市場環境を踏まえつつ、組織に適合したコンプライアンス規程、リスク管理規程等を作成いたします。
また、過度な業務負担とならずに、現状の組織の中でスムーズにコンプライアンス・リスク管理が行えるような運営体制の構築についても支援いたします。